湯瀬渓谷のイラスト

湯瀬渓谷|四季が織りなす自然美と静けさの聖域

2025年7月18日

秋田県鹿角市の東部、十和田八幡平国立公園の一角に位置する「湯瀬渓谷」。
JR花輪線の湯瀬温泉駅から徒歩圏内というアクセスの良さにもかかわらず、驚くほど手つかずの自然が広がる隠れた名所です。

湯瀬温泉の源である湯瀬川が刻んだ渓谷は、約4kmにわたって遊歩道が整備されており、川のせせらぎと森林の香りに包まれながら散策ができる癒しの空間となっています。

春夏秋冬、それぞれに表情を変える風景

湯瀬渓谷の最大の魅力は、四季ごとに異なる景色を見せてくれる点です。

  • 春:芽吹いたばかりの若葉が清流に映え、カタクリや山野草が彩りを添える
  • 夏:深緑の木々が日差しを和らげ、川辺では涼を感じる絶好の避暑地に
  • 秋:紅葉が谷全体を包み込み、澄んだ空気と鮮やかな彩りに心洗われる
  • 冬:雪景色の中で静けさが際立ち、渓谷全体が“時間の止まった世界”に変わる

特に紅葉シーズンには、川沿いの遊歩道から見上げる紅葉と岩肌のコントラストが見事で、写真愛好家や登山者からの人気も高まっています。

遊歩道は“癒しと発見”のトンネル

湯瀬渓谷の遊歩道は、整備が行き届いていながらも自然の質感を損なわない造りが特徴です。
片道2kmほどのコースは、のんびり歩いて40分〜1時間程度。
家族連れや高齢の方でも楽しめる設計になっており、途中には小さな滝や岩場、木製の橋なども点在します。

また、野鳥や野生動物の観察ポイントも多く、双眼鏡を持って訪れる方も。
人の少ない朝の時間帯は、鹿の足跡やリスの姿を見かけることもあります。

湯瀬温泉とセットで楽しむ「自然と湯」

湯瀬渓谷のすぐ隣には「湯瀬温泉郷」があります。
名湯百選にも選ばれたpH9.1のアルカリ性単純泉は、肌にやさしく「美人の湯」としても知られています。

渓谷散策で心身をリセットしたあとは、温泉でゆっくり身体を温める。
この「静かな自然と良質な湯の組み合わせ」が、湯瀬渓谷が持つ鹿角らしさとも言えるかもしれません。

地元の人にとっての“身近な自然”

観光名所として紹介されることが多い湯瀬渓谷ですが、地元の人々にとっては日常の中にある風景でもあります。
夕暮れに犬の散歩をする人や、休日に子どもと昆虫採集を楽しむ家族、ジョギングする学生の姿も見られます。

湯瀬渓谷は、訪れる人にとって「特別な場所」でありながら、地域に暮らす人の生活とも密接に結びついた空間なのです。

まとめ:静かな渓谷が教えてくれる、鹿角の“本当の豊かさ”

湯瀬渓谷は派手な観光地ではありません。
しかし、そこには静けさや自然との一体感、そして都市では味わえない「ゆるやかな時間」が流れています。
鹿角という土地の魅力を知る上で、湯瀬渓谷はきっと“最初に訪れるべき場所”のひとつです。

四季折々の表情に触れながら、鹿角の豊かさを肌で感じてみてください。

※本記事は、地域イベント「しごとーーい かづの」の関連情報として、鹿角の地元資源を紹介するコラムの一環として掲載しています。